コラム
M子の編集マン奮闘記#004「写植について」
M子の編集マン奮闘記#004
●写真植字(しゃしんしょくじ、略称【写植】は、写真植字機を用いて文字などを印画紙やフィルムに印字して、写真製版用の版下などを作ること。多くのサイズの活字が必要な活版印刷に対し、写真植字では1個の文字ネガで足りる。オフセット印刷の普及とともに、写真植字も急速に需要を拡大した。文字のネガをレンズで拡大または変形して印画紙に焼き付けるので、独特の柔らか味がある事が写真植字のメリットの一つである。DTPが普及した昨今でも、タイトル文字などに限って写真植字を指定して使うケースが見られる。また、写真植字の歴史は、写研の歴史そのものとも言える。●文字の大きさの単位をQ(または級)、文字の送り量の単位をH(または歯)とする。いずれも0.25mmを1とする。すなわち24Qといえば6mmの大きさの文字を意味する。
※以上、ウィキペディアから引用させていただきました。
漫画のセリフには長らく、上記のように株式会社写研さんの「写植」を使用してきた歴史があります。原稿が仕上がったとき、フキダシ内の文字やモノローグなどは作家さんの鉛筆手書きの状態ですので、昔ながらのやり方としては、まず作家さんの下書きされたセリフに、改行や漢字?平仮名、ルビや文字の大きさなどの指定をして、製版所にお任せして写植文字を印画紙にプリントしたものを、原稿に貼り込むという作業をしておりました。今はほとんどがデジタル製版になったので、パソコン上でデジタル化した原稿に直接フォントを打ち込む場合が多いですが、古い原稿の文字修正などは、プリントアウトして貼リ直すこともあります。書体(フォントの種類)の指定、文字サイズの指定、「ここは印象的なセリフなので別の書体を使おう」とか、カラー原稿の場合は色の指定をしたり、作家さんの意図を汲みつつ漫画の演出をより盛上げるための作業です。私たち編集者の作業のひとつです。弊社では、昔の原稿の再録版の雑誌を編集することが多いのですが、30年来の古い原稿だと、貼り込まれた写植の糊(ペーパーセメント)が劣化して黄変していたり、セリフが剥がれ落ちて行方不明になっていたりとコンディションに様々な問題があり、腕の見せ所となります。